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そーすけさんの日々

小林まこと 青春少年マガジン 1978~1983 & 島本和彦 アオイホノオ

サンデー&マガジン 50周年記念という事で、色々と賑わっているようですね

サンデーとマガジンを題材にしたカードゲームも出来て

両雑誌による、コラボPVなんかもできています。




このPV かなりおもしろいので一度見ておく事をオススメします。

マガジン編集部の、だいたい水曜日発売でサンデーはないでしょ(笑)と言って

サンデーをゴミ箱に捨てるシーンは、必見です。


そんな記念年という事でか

両雑誌とも今までの雑誌の歴史を振り返るような内容のマンガも発売されているようで

私の手元にあるのが、


・マガジン

小林まことさんが書く、自伝マンガ 青春少年マガジン 1978~1983

こちらは、小林まことさんがデビューしてから数年の自伝マンガになっています。


・サンデー

島本和彦さんが書く、自伝マンガ アホイホノオ

こちらは、あくまでも焔燃という架空の人物が主人公になっていますが

本人がラジオなので語っている事と類似点が多く

ほぼノンフィクションといえる作品で、今現在デビュー前の大阪芸大時代の話と

その頃、自分が衝撃を受けた漫画や出会いなどが描かれております。
(こちらは去年でたもので、厳密には記念とは関係ないです。)


2冊とも、素晴らしくおもしろいマンガなのですが

今回は、小林まことさんの 青春少年マガジンをメインに紹介したいと思います。

近年、漫画 アニメの地位は上がってきて大衆文化として成立していますよね

しかし、それが原因で一部の馬鹿な文化人が

犯罪があれば、ロリコンだ ゲーム脳だ と一部の作品と特定の人物だけに目をむけて

アニメ マンガ ゲーム オタク 犯罪 全てを一括りにし 変に疎外 批難したりしていますよね


かと思えば、秋葉 萌え メイド オタク(オタ芸) 主にこの4つのワードが

TVで異様にもてはやされ、変な風に取り上げられる事が増えてきました。


私は言いたい!!

特に マンガ アニメ ゲームを変に疎外しようとにする馬鹿な奴らに!

お前ら!!この自伝マンガを読んで!!

マンガを連載するという事の辛さ!!と情熱を知ってから批判なり評論なりしろと!!

ふぅ・・・というわけで、ここからがマンガ 青春少年マガジンの紹介となります。


青年少年マガジン この作品は、作者 小林 まことがどん底の状態からはじまります。

漫画家を目指し 新潟から上京して 1年の小林 まこと

尊敬していた 望月三起也 大先生のアシスタントを2ヵ月で辞め

その後も職を転々とする日々・・・

しかも腐ったエビチャーハンを食べ、食中毒

金もない最悪の体調で、自分は死ぬのかと考えている時に鳴る電話

半年前に自分が少年マガジンに持ち込んだ原稿が、新人賞に選ばれたという電話だった。

同年代のサラリーマンの月給が6万円の時代に、

新人賞の褒美は 賞金100万円+30万円相当のステレオコンポ

体調不良も一気に吹き飛び 外へと駆け出した小林まことは実家に電話し

1年振りの散髪に行くのであった。


その後、始まる新人 小林まことの週刊連載生活

過酷な締切、アシスタントもいない中での個人作業と辛く厳しい日々の中で

小林まことを支え救ったのは、同じ同期の漫画家

小野 新二 と 大和田 夏希だった。

最初は、あまり良い出会いとはいえない3人だが気が会い交流を重ねるようになり

マンガ内でも、互いをちゃかしあう間柄になる

そして編集はこう呼ぶようになる

新人3バカトリオ・・・・と!!


時は流れ、初めての印税収入

その額 180万円
(上に書いていますが、同期のサラリーマンが月給6万円の時代)


大和田 夏希と話す 小林まこと


大和田
「おどろいたな・・・オレはあんな大金見るの初めてだよ」


小林
「ああ・・・おどろいた オレだって初めてだよ」


大和田
「オレなんて、去年まで月5万円で暮らしてたんだぜ」


小林
「オレ、なんて2万8千円だ・・・」


大和田
「なんだかこわいな・・・」


小林
「ああ・・・こわい オレ達すげぇ仕事してるんだな・・・」


大和田
「なぁ 小林 お前その金どうするつもりだよ」


小林
「え・・・どうするって・・
 貯金しておくに決まってるじゃないか」


オレはアホだから印税とは売れて
増刷されるとまた入ってくるという事を本当に知らなかった


大和田
「オレは全額使うぜ
 まずはもっと広い仕事場に引っ越しだな
 アシスタントも増やすから机とか仮眠用の二段ベッドとかも必要だ・・・
 それでオレはもう一本連載をやるつもりだ
 オレの担当がこんど月刊マガジンの編集長に出世したんでな」


小林
「・・・・・・
 大丈夫かよ・・・今だってヒーヒーいってるくせに・・・」


大和田
「なにいってんだ バカヤロウ
 お前ならもっと稼げるだろうが
 オレが子供の頃 どんな環境で生きてきたと思ってんだ・・・
 オレはやるぜ・・・もう貧乏ともおさらばだ
 やくざみてぇな連中との付き合いもおさらばだ」


こうして新人3バカトリオは、3人とも連載2本体制へとなっていく

連載がもう2つになり

さらに厳しい日々の連続、小林はほぼ5日不眠不休で働き

その頃の週の平均睡眠時間 8時間・・・それが鼻血が出て倒れるまで続いた


初連載が好調に続く 3年目

小林 まことはヘロヘロに疲れていた

マンションのベランダに立ち、柵をしっかり掴む小林

い・・・いかんぞ この手をはなしたらいかんぞ・・・

後に小林は語る

オレも一歩間違えたば どうなってたかしれたもんじゃない


ここから3人の人生は大きく変わっていく

大和田夏希は、精神的ストレスから

自分が風呂に入ると沈みそうになるからと両脇でしっかり支えないと

風呂に入れなくなり、駅へ下る階段で落ちる・・・とそのままへたりこんでしまい

故郷に帰る事に・・・・


小野 新二も酒の飲みすぎで、肝臓をやられ 顔に赤い斑点が出てきている・・・

奥さんと一緒に必死に病院へ行ってくれとお願いする 小林

しかし心の中では・・・


オレも小野さんにものを言う資格は無い

3日や4日 寝ないのは当たり前 20時間くらい何も食わないのも当たり前

たばこは呼吸のように1日7箱

缶コーヒーは1日10本以上

締め切りのストレスで胃はボロボロ

逃亡したこと数回

大げさと思うかもしれないがオレは いつも神様にこうお願いしていた

神様!! オレはいつ死んでもかまいません

ただ! 今週号だけは仕上げさせてください


数年が流れ、80年代後半 バブル景気の真っ只中

故郷に帰った 大和田夏希 酒を飲み正気を失った彼から

度々小林の元へと電話がかかるようになる

その電話は真夜中の自宅へも及び・・・・・


「夜中に自宅に電話をしてくるのはやめろよ!!」


今さら後悔してもはじまらないが・・・

オレが大和田夏希に大声をだしたのはこのときが初めてだった・・・



大和田夏希との会話はこれが最後だった・・・

後日 小野より大和田夏希が自殺した事を聞く小林

あれが・・・あれが・・・最後の会話かよ~

大和田夏希 の自殺より1年後

今度は小野 新二が入院する

肝臓全滅 3週間の命

小野はやっと病院へ行き、もう帰ってくることはなかった


少年マガジン 50周年

数えきれない新人漫画家と名作を生み出してきた

そして、その中に確かに!!新人3バカトリオもいた・・・!!


この漫画は 故 大和田夏希 故 小野新二
二人の親友に捧げます
文句があったらあの世でききます。
また三人で喧嘩しましょう

小林まこと




うわああああ~!!

泣けました。

本編には、他の漫画家の交流とか新人3バカトリオの友情話とかも

たくさん含まれているので、それの相乗効果で泣けます。

いやー・・・しかし やばいくらい泣けました。

よく言われていますが、特にギャグ漫画家は壊れる事が多いらしいですね

有名なところで、江口寿史さんとか・・・・

しばらく仕事が出来なくなったとか色々な話を聞きます。

志半ばで 死んでしまった彼らは、幸せに生きたかどうかはわからないけど

こうやって、生き残った友人がマンガにして彼らの人生を語るっていうのは

素晴らしいことだと思いました。


そして、最後読み終わって帯を見てまた泣く

本当はボロボロ泣きながら描きました


うっ・・・うう また泣かされました・・・

泣いちゃダメだ・・・笑わないと デレシシシシ・・・

うっ・・・ダメだ・・あの話思い出したらまた涙が・・・
(ワンピースあんまり知らないけどあの話だけテレビで見た)

というわけでオススメの漫画です。

長くなってしまったので、

アオイホノオに関してはまたそのうち詳しく描きたいと思いますが

こちらは、ギャグテイストでおもしろいです。

特に帯が最高で

あだち充
「放課後体育館の裏においで。」

高橋留美子
「ショックです。そんな目で見られてたなんて。」

まさにこんな感じの内容になっているので、こちらも是非手にとってほしい一冊です。
by souhu090 | 2009-01-22 21:34 | コミック