そーすけさんの日々

ハチミツとクローバー

竹本
「ん? おーい はぐちゃーん 何してるの? 四つ葉のクローバー?」


はぐ
「うん お守り袋は作ったの あとは入れるだけなの
  修ちゃんに がんばってって・・・ケガとかカゼとか大丈夫なようにって・・・
   修ちゃんの夢がかないますようにって」


竹本
「・・・・・よし オレも手伝うよ」


はぐ
「ホント!?」


山田
「あら 何探してるの?
 四つ葉のクロバー?
ちがう ちがう四つ葉ってのは人が踏むところによくあるのよっ」


森田
「何何!?何!?埋蔵金!?」


竹本&山田
ちがーう!!


真山
「ん?」


山田
「あーっ!真山っいいトコに来たっ!
  真山も一緒に探して!」




花本
「ど・・・どうしたんだみんな そんな泥だらけで」


山田
「先生 はぐちゃんは先生にお守りをあげたいって・・・」


はぐ
「修ちゃんっ!
  あのね無かった!!四つ葉のクローバー
   ど・・・・どうしよう なかったよ そんなの どこにも」


花本
「はぐ? 探してくれたのか? オレのために?」


はぐ
「どうして?みんなもいっぱいいっしょに探してくれたのに」


花本
「うん いいんだよ
見つからなかったなんてそんな事いうなよ
 オレはもうはぐにいっぱいもらってたんだよ」


そして、みんなで手を洗って
湯気の立つ席について
みんなの顔を見渡しながら
オレはぼんやりとさっき土手から見上げた青空を思い出していた
君がいてみんながいて
たったひとつのものを探した
あの青い空そして風の匂いと一面の・・・・

全てが過ぎて何もかもが思い出に変わる日々はきっと来る
でも きっと繰り返し思い出す。




昨日の夜中、読み終わりあまりのせつなさにブログを更新した

ハチミツとクローバーを紹介したいと思います。

恋愛関係が凄いことで有名な本作品ですが、先に簡単に人物紹介をしたいと思います。


=主要人物=


竹本 祐太

本作の主人公 悩める青春青年
そこそこの才能と特技のようなものはあるものの
自分の人生、恋愛について悩む


真山 巧

女性にもてるが、ある人物に恋をしており
その人を追いかけ続けている
大学を卒業し、主要人物の中で一番最初に就職を決めた人物
就職を決めても節制を続け、貯金をしているらしく
何か目標があるらしいが・・・・


森田 忍

大学7年生
ふらっといなくなっては、大金とともに疲れ果てた体で帰って来る
謎の多い人物
かなりの守銭度で、真山の服を勝手に着る
人の飯を食うと、とことんな自由人だが女性からはそこそこ人気がある


花本 はぐみ

技術才能ともに持ち合わせており
作る作品は世間からも注目されている
コロポックルと形容されるような容姿


山田 あゆみ

商店街にファンクラブがあるほどの美女だが本人は気づいていない様子
美脚の清純派として、大学内でも人気がある
テンパると、誰から構わず蹴り倒し周辺の人物は凄い被害をこうむる事も・・・


花本 修司

竹本一同達が通う大学の講師で、花本 はぐみを預かっている
大切な娘のように溺愛しており
はぐみに群がる邪魔な奴らに対しては鬼のような形相で立ち向かう


原田 理花

原田デザイン会社の経営者で、修司の大学時代の同級生
結婚していて、旦那がいたが事故死
その死んだ旦那の原田、理香、修司と大学時代はいつも3人で一緒にいた。
もともと内向的な性格だったが、原田の死後以降
その性格がますます強くなり人と壁を作ってしまうようになる


主要な人物はこんなものですがね・・・・

これが恋愛関係になると


竹本と森田は、はぐが好きで修司ははぐを娘(?)のように溺愛している

真山は理花を好きだけど、理花は死んだ原田を今も追いかけており

山田は真山が好きで
真山もそれに気づいているけど、理花が好きだからそれに答えられないでいる


凄く簡潔に書きました。

実際は少し違いますがこういう連鎖していくような恋愛になっており

わきあいあいと仲良く暮らしているメンバーだけど

いつか、それが崩壊していくかもしれない

という不安のようなものがつねに描かれています。


ストーリーとしては、上手く説明できないので詳しいことは省きますが

美術系の大学に通う主人公達の青春(恋愛&創作活動)

そして、大人と青年 青春とは?といったかなり青臭いテーマとなっており

その青臭さを逆手にとって、青春の何が悪いんだ!?というような

ふっきたような内容になっています。


で、個人的にグッときたシーンを3つほど紹介したいと思います。


1つは、原田死亡後の理花と修司のシーン

竹本らから見て、大人で冷静に見える 修司

しかし、まだ原田の死を引きずっており・・・その日の夢を見ます。


事故現場から遺体をかき集めて
何とか小さな葬儀を出した
リカは病院で体中に管を巻きつけられ
彼を送る事すらかなわなかった

目覚めたリカに残されたのは、一生つきまとう半身の苦痛と

小さな包みだけ

苦痛から逃れようと何も食べなくなってしまった彼女に

俺は言った



「自分で死んじゃ駄目だ」

「原田の所へ行けなくなる」

「本当の意味で2度と会えなくなるよ」


そう言った時のリカの瞳が忘れられない

子供みたいに綺麗な瞳だった。

リカは俺の言葉に呪われて

原田の後を追う事もできなくなり

吐いても吐いても一生けんめい食べ生きようとし

痛む体を引きずって原田の残した仕事にのめり込んでいった

彼女の背からは常に声なき悲鳴がきこえた

先に耐えられなくなったのは俺だった

気づいてはいたんだ

ずっと3人で過ごして来たけどホントは2人で1人でしかなかった事

どんなに原田が すきでも

どんなにリカが 大事でも

俺が2人にしてやれる事なんて 2人が幸せであるように見守り続ける事しかなかった。

いつまでも2人が一緒にいられますように



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リカ
「花本くん・・・・」


修司
「あ オレ
は・・・はは 何を・・・オレ・・オレは・・」


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リカ
「ごめんね
 ごめんなさいね あなたにこんな事・・・
 私たち離れましょう 一緒にいてはいけないわ・・・大好きよ 修」



リカと原田と修のエピソードが、8巻でこういう苦痛な形ででるとは思わなかったので

かなり衝撃でした。

で、上記にも書きましたが 修司は他の主要のキャラクターよりも年齢が上の為に

物語の中でも落ちついている人物という感じで描かれていますが

物語が進展するにつれ、精神的苦悩とか後悔のようなものがみえてきます。

それを通じて、後半になってくると

大人っていうのは、無論万能ではないし

青春時代・・・というか、若いときとあまり変わらないんだよ という風に描かれていて

じゃあ何が違うかっていうと・・・・これは私が勝手に思っただけですが

物事の受け止め方とか 物事に取り込む本気度とか 自分自身の評価の仕方とか?

で、現実でもそうですが一番違うのは人との付き合い方?

簡単に相手に好きとか嫌いとかって伝えられなくなりますよね

だけど、青春スーツをもう一度着れば(意図せずとも)

もう一度あの頃に戻ったような恋愛もできるし

あの時と同じ気持ちになれるんだよっていう・・・・ような

私結構、成長するってことに対して否定的な想いが強かったりしたので

この変化していくっていうテーマが、前向きで気持ちよく読む事ができました。



2つ目は、竹本くんが一人旅に出る

モロ青春っていう展開のエピソードなんですが、これはテキストが凄い魅力的で

その辺がポンポンポン!と紹介出来ればいいなと思っています。


就職活動も上手くいかず

創作活動にとりかかったはぐの手助けを自分は何も出来ないと気づく竹本

空っぽの冷蔵庫を開ける

そして思う


小さい頃

買ったばかりの自転車にのって

ある日

一度も後ろを振り返らずにどこまでまっすぐ走れるか試した

自分の町がどんどん遠くへ流れ去っていくのを背中で感じながら

真っ白になりそうなアタマで一心にペダルをこいだ

自分の心ぞうの音だけがやけにバクバク耳にひびいた

今でも時々思い出す

あの時 自分が試したかったのは いったい何だったんだろう・・・

・・・・・ダメだ なんでだ 頭がボッーとする

さっきから ずっと いやな音が頭にこびりついて

なんなんだ この音

ああ そうだ これは からっぽの音だ



ろくな荷物も持たず自転車で、走りだした竹本くん

いわゆる自分探しの旅である


色んな人と出会い、心ない言葉に傷ついたり

同じ自分探しをした事がある人に出会って、親切を受けたり

さまざまな出会いを重ねた竹本くんは、ついに北端の北海道へ


フェリーというものに 初めて乗った

自転車のまま入っていってワクワクした

廃屋にテントを張って おまわりさんにおこられた

坂道で追いこしていったファミリカーが てっぺんで待ってておにぎりをくれた

バイクで旅をしている人に アルミ鍋でごはんを炊く方法を教わった

途中 何度かサイロに干し草をつめるバイトをした

湖のほとりでテントを張ったら 満潮でねたまま水びたしになった

鉛色の海をみた 道路を横切る雲の影を見た

走って 食べて 眠って また起きて 走って

ペダルのふみすぎで 靴の底がぬけた

車に轢かれたカモメをみた

自分の手先も見えない程の霧に包まれた

そして 生まれて初めて 雨の終わる場所を見た

あ・・・来る 光

地の果てというものは もっとさびしいところだと思ってた

こんな 明るくて せいせいした所だとは思ってなかった



「ついた ここが日本のつきあたりだ・・・・」


不思議だこんな遠い遠い 地の果てなのに

じつはあの アパートの自分の部屋のドアとつながっていて

ドアを開ければ 外に出れば どこへでも行けたんだ

青春18切符も銀河鉄道のミドリ色の切符も

何もなくても 自分の足を交互に踏み出すだけで

バカみたいだな そんなコト 小学生だって知っている

いや オレだって知ってた

でも ここに来るまでは わからなかったんだ

この風景が見れてよかった

帰ろう 君の そして僕の みんなの住む場所へ・・・・

帰ろう

また同じ数だけ ペダルをふんで




こういう展開って、ありふれた展開だけど

やっぱりこの人のテキストの魅力って凄くって

凄い感動させられました。


で、これが最後に紹介したい ラストの展開なのですが

前回も書きましたが、思わず声が出てしまうほど良い展開で

ある場面で泣かされました。

最後にコレを紹介したいと思いますが、是非とも読んでみたいなと思った人は

この先を見ないでほしいですね

是非とも自分の目で、1巻から歩んで読んで欲しいと思います。




6畳プラス台所3畳

フロなし

大学まで徒歩10分

築28年 家賃3万4千円

朝日が眩しい 東向き

ボクは今日 ここを出ていく

駅に向かう 川辺の道で彼女を見かけた

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いつものようにパンを買い

あの家に戻り お昼を食べ リハビリをつづけキャンバスに向かい

この街で 彼女の日常はつづいてゆく

さよならは ゆうべ すませたから

もう 話かける べきでは ないと思った

声をかけてはダメだ

だからただ 黙って見ていた

きっと今話しかけたら 言わなくていい言葉を言ってしまう

見慣れた 川辺の風景と 君と

全部が春の陽にひたされて

ピンでとめた なつかしい写真みたいに

ただ ただ 美しかった


二度と会えなくなるから だから


だから・・・



声をかけずに去る竹本くん 新幹線に乗る


竹本
「うわ・・・ガラガラだよ
  なんで?平日だから?ま・・・いいか
   静かなのも ちょっとさみしいけど」


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竹本
「はぐちゃん!!」

はぐ
「竹本くん!!」

はぐちゃんは包みを竹本くんに渡し

2人は一度抱き合い 手を振り列車は走りだす。


「何だろう サンドイッチ?デカッ 食パン一斤丸々!?
すげーゴーカイ さすがはぐちゃん
もう 一体なんのサンドイッチなんだ? これは・・・」


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ありったけの ありったけの幸せ あなたに


「これ 全部・・・全部 オレのために?」


最初は ひと目ぼれからはじまった

でも 彼女の強さが 弱さが 全てが僕に問いかけ 続けた

あなたは だぁれ? って

僕は だれなんだ? って

必死で何かを探しつづけてた

ボクの大好きな女の子

オレはずっと考えてたんだ

うまくいかなかった恋に意味はあるのかって

消えて行ってしまうものは無かったものと同じなのかなって



今ならわかる

意味はある

あったんだよ

ここに



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「はぐちゃん オレは君を好きになってよかった・・・」


何もかもが思い出になる日はきっとくる

でも

ボクがいて 君がいて みんながいて

たったひとつのものを探した

あの奇跡のような日々は

いつまでも甘い痛みとともに胸の中の遠い場所でずっと

なつかしくまわりつづけるんだ



凄い感動しました!!

恋愛&青春マンガで、まさかここまで感動させられるとわ・・・・

で、最終的にはぐちゃんは修司を選ぶんですが

はぐちゃんの愛っていうのとは違うのかな?

想いはすべて修司に向けられた・・・というわけではなくって

芸術とかイノセントの部分は、森田さんに

はぐちゃんの一番女の子らしかったところは、竹本くんに

そのほかのすべてを修司さんにっていうふうに

分けられたんじゃないのかなって個人的に思いました。

これから、三月のライオンも楽しみですが

それが終わった後の新作を今から楽しみにしてしまいます。

これからはリアルタイムに追いかけていきたい漫画家さんの一人になりました。
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by souhu090 | 2008-12-10 16:32 | コミック