そーすけさんの日々

吉祥天女 吉田秋生


「気分はどう?」

「そう悪くないよ」

「小夜子・・・」

「なぁに?」

「オレは、あんたが好きだったんだぜ」

「知ってたわ」


吉田秋生の吉祥天女

吉田秋生の代表作の1つですが、何故か購入する気にいたらず

吉田秋生好きの私ですが、書店で見かけても 長らく スルーしていました。

今回購入する本がなく、まったく期待せず購入したんですが・・・

読んでみるとびっくり、めちゃくちゃおもしろかった。


個人的な、私の吉田秋生ランキングでいうと

1.カリフォルニア物語
2.BANANA FISH
3.櫻の園
4.ラヴァーズキス
5.YASHA
6.海街diary

こんな感じだったんですが

2位に吉祥天女を入れたいぐらい 気にいった作品でした。

=STORY=

天女の末裔と言われる叶家の跡取り娘で、
恐ろしいほどの美貌をもつ小夜子が街に帰ってきたのを機に
小夜子と叶家の財産を狙う遠野家が繰り広げる陰謀、事件を描いた心理ホラーミステリー

いつもは、自分で考えてSTORYの紹介を書くのですが

試験日も近づき、忙しいのでwikipediaよりの転載です。


ただ、これをブログで紹介する場合

自分の言葉でこのマンガを評価するのならばなんて書けばいいんだろう・・・と少し悩みました。

私は、文庫は最後のエッセイまで読む派なのですが

吉祥天女2巻のエッセイは、私の好きな呉智英さん(くれともふさ 又は ごちえ)で

この方の感想が、私の漠然とこの作品から感じたモノを

上手く言葉にし、わかりやすく明確な文章として表現していました。


吉祥天女のテーマは、人間の攻撃性である
屈辱と攻撃、そして その虚しさと浄化
攻撃の虚しさの後に浄化がくるラストシーンは、物語の当初から構想されていたものに違いない
吉祥天女という題名がそれを証明している


まさに、この通りだなと

この作品のキー人物 叶小夜子は、美しくそれでいて妖艶な女子高生

学園に転校してきた事により、さまざまな事件がおきます。

権力的な背景から、彼女を手に入れようとする人

個人の欲望を満たす為に、彼女を手に入れようとする人も登場します。

ただ、この叶小夜子は その欲望をしっかりと理解した上で相手を手玉にとり

確実に始末していき、自分の目標を遂げるワケですが

その目標を遂げる為の犠牲として、本来死ぬべきではなかった人物も死んでしまいます。

最終的に、叶小夜子の女友達達は 叶小夜子の本質を知らないまま別れる事になります。

主人公(だと、私は思ってる)の兄だけは 叶小夜子の本質と影で行ってきたに事について気づきます。

この兄は、叶小夜子をモデルにした絵をずっと書いているのですが

彼女の本質を理解した上で書いた絵が 吉祥天女

福徳豊穣の守護神として崇敬された
奈良時代この吉祥天女の前で年中の罪業を悔過し、除災招福を祈る吉祥悔過の本尊として祀られた。
(多分 奈良の公式HPより転載)

「人々に至福を与えるという愛の女神です。
 あなたは、あの時 ぼくに言いましたね 天女を妻にした男は幸福だったろうか
 それとも不幸だったろうか って
 ぼくは、きっと 幸福だったろうと思いますよ きっと後悔はしなかったろう・・・と」

「・・・・・・」

「この絵もらってくれますか?」

「もちろん よろこんで・・・」


これが、呉さんが書いた 浄化のシーンなんですよね

勿論奇麗事のみではなく、最後にもう一度

天女を妻にした男は幸福だったと思う?それとも・・・ という問いかけがあり それで物語は幕を閉じます。

叶小夜子自身、自分の血がそうさせる的な発言をしてますけど

その血を受け入れているワケですから まさしく 最後の問いかけ通りの女性だと思いますね

彼女の「私は、男達の妄想で何度も犯されてる」という発言は 男としては っとするモノがありますね

女性より まさしく男の方が楽しめるマンガなんじゃないかなと思います。
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by souhu090 | 2010-11-10 18:38 | コミック